ごきげん座敷牢

主に雑記帳

FF15の映画が予想を遥かに超えたクオリティでビックリしてますのよ。

今日は映画の話をします。

本日(2016年7月9日)公開の『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』を新宿バルト9で観てきました。

 

kingsglaive-jp.com

www.youtube.com

先週の友人との会話

友人「今度の映画どうする? 来週FF15の映画がやるらしいけど」

俺「え? そんなのあるの? 全然知らんかった」

友人「こんだけ映画館頻繁に行ってても一秒の予告すらなかったもんな…」

俺「まぁFFそこそこ好きだし、とりあえず観に行くかー」

2人「「うおおおおおおお! すげえええ面白かった!!!!」」

何故か「とりあえず」なんて舐めきった態度で観に行ってたんですが、すみません。完全に裏切られました。すごい面白い。

公式ページによる本映画のストーリーは以下の通り。

 神聖なるクリスタルを擁する魔法国家ルシス。
クリスタルを我が物にしようとするニフルハイム帝国。
二国はあまりにも長い戦いの歴史を続けていた。

ルシス国王レギス直属の特殊部隊「王の剣」。
ニックス・ウリックら「王の剣」は魔法の力を駆使し、
進行してくるニフルハイム軍を辛くも退けていた。

しかし、圧倒的な戦力の前に、レギスは苦渋の決断を余儀なくされる。
王子ノクティスとニフルハイム支配下のテネブラエ王女ルーナとの結婚、
そして、首都インソムニア以外の領地の放棄――。

それぞれの思惑が交錯する中、ニフルハイムの策略により
人知を超えた戦場へと変貌したインソムニアで、
ニックスはルシス王国の存亡をかけた戦いに向かう。

すべては“未来の王“のために。

※これ以降は感想を記載します。なるべく根幹に関わるネタバレは避けますが、少しでもまっさらな気持ちで映画を見たい方はページを閉じてスグに映画館に行ってください。

 現代世界と西洋ファンタジー世界の融合がスゴイ

 今作の物語の舞台となる魔法国家ルシスは、クリスタルの力で首都インソムニアの周囲に魔法障壁を張り、襲い来る強大なニフルハイム帝国の侵略を食い止めている。そのため、首都インソムニアの街並みは戦争中にもかかわらず危機にさらされることなく発展を続けている。

 しかし、首都以外の領地は万全に守られているわけではなく、頻繁に帝国からの無慈悲な侵略に攻め立てられたりしており、他の領地から首都に流れてきた人々は“移民“として不当に扱われたりしている――というのが魔法国家ルシスの社会背景。

 このインソムニアの街並みやテクノロジーは現代の日本とほぼ同じレベルの発展を遂げており、特に王城のある中央は高層ビルが立ち並ぶ大都市を形成していています。

  ――っていうか新宿だー! 王城、完璧に都庁だコレェ―!

 まったく前情報を入れずに観に行ったので、城の外観が画面に映る度に笑ってしまう。

 王城だけでなく都市部全体が今の東京の都市デザインになっており、ビル群がでっかい広告看板(ユニクロとか)を掲げ聳え立つ。地上では人々が行き交いスマホで通話したり飲み屋で焼き鳥食ってたりしているし、綺麗に整備された道路にはAudiの車とかギュンギュン走ってる。夜はネオンが光り輝く街へと変貌を遂げる。Welcome to Tokyo.

 ただ、城の壁の質感や調度品、謁見の間に代表される内装部分のデザインはまさに”西洋ファンタジー“といった様相であり、街の中にも少しだけ”西洋ファンタジー“のガジェットが隠れるようにして存在している。首都に攻めてくる帝国の飛空艇もこれまでのFF世界のSFチックなマシンが空を飛んでいるし。

 この”現代建築“と“西洋ファンタジー建築“のちぐはぐ感が妙に不思議な味わいを作り出している。”違和感”が“不快感“に変わる前ギリギリあたりを攻めてきている。個人的には”現代世界“が“西洋ファンタジー世界“にじわりじわりと侵略されている感覚を覚えてゾクッとした。実際映画を観終わって外に出てみるとそこは新宿なわけで、空の遠くに召喚獣や飛空艇が浮かんでるんじゃねぇかと思ったもんです。 

 しかし物語側の立場に立って考察するとそれはむしろ“逆“で、クリスタルによって守られている王都インソムニアの一帯だけが異常発展を遂げているので、街の壁の外に出てしまうともうそこは”西洋ファンタジー“そのものの世界になっている。うむ。これ、個人的に超好みな世界設定ですわ。

登場人物の思惑が複雑に影響を及ぼし合う脚本構成

 本編のストーリーは複雑な対立構造によって成り立っています。

 魔法国家ルシスと軍事国家ニフルハイムの争いがあり、ルシスの中でも王都インソムニアとその他地方領土という対立する構図があります。特に魔法障壁によって安全が保証されている王都と常に帝国の侵略の危機に晒されている地方の確執は根強い。

 そんな情勢の中で「王の剣」という“王直属の“”移民を中心とした特殊部隊”が配置されているという構図が、物語を大きく回す舞台装置となって生きてきます。
 この構図を頭に入れて映画を観ると、ストーリーの輪郭がハッキリと見えてくると思いますので、初見の方は是非。

 そんな事情を抱えた「王の剣」の登場人物達は各人様々な思惑を抱えて物語の配置につきます。それぞれがどの立場に立ち、どのように物語を回していくのかに注目しながら観て頂きたい。

観たかった”FFのバトル”がリアルに映像化されている

 本作、これでもかとフルCG によるド迫力の戦闘シーンが描かれます。

 「王の剣」の面々は主に短刀を主武器にサポートとして魔法を使う”アサシン”タイプの戦闘スタイルですが、他のキャラクターや組織のそれも実に多彩で観ていて飽きない。

 特に主人公ニックスは「テレポート」の魔法を多用するんですがこれが便利でスゴイわぁと。テレポートは「モノ(主にナイフ)を投げて、その投げた位置に瞬時に転移する」という代物。魔法の条件や制約が視聴者に目に見えて分かりやすく、物語の進行をスムーズにする役目もありつつ、非常に派手なアクションを見栄え良く魅せることに成功している。便利―。

 また、どうしたことか帝国側はモンスターも使って進撃してくるんですが、このモンスターとの戦闘が実にFFらしいというか、“実際にFFの戦闘はこんな感じなんだろうなぁ”って思わせる作りで素晴らしい。自分の3倍位の大きさのモンスターと戦うにはどう立ちまわるのかが“しっくりくる“レベルで再現されています。

 対人戦闘での魔法の使い方も威力によって個性があって良い感じ。

 また、シリーズではお馴染みの”召喚獣“も登場しており、こちらはCGのクオリティが半端じゃなく素晴らしくて迫力満点。なんていうか、巨大なイキモノが現れて周囲の構造物を壊しながらガッツンガッツン戦ってる様子はまさにジャパニーズフィクションの醍醐味というか。胸ときめくよね!

前日譚としてボリュームある一作

 この映画は本編である『FINAL FANTASY XV』の前日譚として描かれているわけなんですが、ここまで出来の良い物を見せられると本編のゲームも気になってしまいますわ。

 この王国ルシスと帝国ニフルハイムを争いを中心とした世界背景を映画で納得の行くクオリティで見せられてしまったら、「イケメンサファリw」とか馬鹿に出来ないじゃないか!w

www.youtube.com

まんまと本編ゲームが楽しみになってしまった。

FFのゲームに触れたことがない人でもちゃんと話の顛末がわかる脚本になってるので、是非劇場に足を運んでその圧倒的CG表現をご覧頂きたい。

 

追伸

ようするにFFチームは、スクエニは、こういうのがやりたいんだなぁ…
むかしっからこういうのがやりたかったんだろうなぁ…
ってのが伝わるくらいしっっっかり作りこんである、愛と情熱にあふれた素晴らしい映画でした。